2006年04月16日

ハーモニカの調律師(2)

リードの下に薄い紙のようなものを挟んで、きめの細かなやすりで削り始めた。
削るたびに吹いてみて、機械の音と聞き比べながら、正しい音に直していく。

その技術はまさに神業である。
大体音程がずれていると機械の音との間に差が生じ、同時に鳴らすと不協和音を起こす。
それがみるみるうちに同じ音になっていくのだ。

リードが折れてしまったものについても、新しいリードに付け替えて、同じような手順で音を合わせていった。
いくつかのハーモニカは預けて帰って、また別の日に別の人が取りに行った。

気さくな人で、作業をしながらもいろいろと話を聞かせてくれた。
「いろんな楽器があるけど、リズム的にもメロディ的にも最も優れているのはピアノだね。これに勝る楽器はない。」
この一言だけが異様に心に残っている。

それ以来、いつかピアノを習ってみたい、と思っているが、未だに実行できていない。
一応ゆっくりでも譜面は読めるようになったので、全くの初心者よりは上達は早いと思うのだが。

一週間位して、残ったハーモニカが帰ってくる。
全て万全の状態となって、12月、よみうりホールでの定期演奏会を迎えるのである。
(おわり)
posted by ぜごん at 20:55| 広島 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 回顧録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック